「あぁ、久しぶりだなー」
と思うと同時に、少し憂鬱にもなった。
東京から約1,000km離れた東京。
空港がない小笠原へ行くには
丸一日以上かけてのんびり進む
この「おがさわら丸」を使う他ない。
お盆明けの便だけあって、待合所は閑散としていた。
もう少し人がいるかなと思っていたんだけど。
何も急いで8時半に竹芝へ行く必要もなく、ましてや
5月にあわてて船の予約する必要もなかった。
乗船券に名前を書いた後、近くのコンビニへ。
船内のレストランは高くて手が出ないので
(というより値段の割に・・・ってのが正解)
昼、夜と次の日の朝と3食分の食料を調達する。
9時半に乗船開始。2等船室の番号札(紙)
をもらっていざ船内へ。
1等船室に行く階段は使わず、その奥にある
2等船室に向かう。
・・・相変わらず狭い。
一人あたり幅60cm、長さ170cm程度か。
ちなみにこんな狭い2等船室(ごろ寝)でも
値段は25,000円である。
1等船室は個室になるが、そうなると倍の値段だ。
庶民にはとうてい手が出ない。
ただラッキーだったのは、あまりに乗船人数が
少なかったため、残りの区画を解放してくれた。
おかげで、3人分のスペースを確保。
これで少しはゆったりできる。
10時になって、銅鑼が「ぐわーんぐわーん」
と鳴るとようやく出航。
汽笛を鳴らして、岸壁を離れる。
見送りの人は、数えるほどしかいない。
さて、出航したものの特にやる事がない。
とりあえず、船内を巡回。
売店には、買い忘れた人用にカップ麺が売っている。
帰りの客用にも、お土産品が置いてあったり。
単行本や雑誌も売っていたけど、
アダルティっぽい雑誌がやけに多かった。
廊下には、シャワールームや洗面所、便所が並ぶ。
2等船室デッキはたくさんの人が利用するため結構汚いが
1等船室デッキの方はとても綺麗だったことが判明。
そっちをこっそり使うことに。
エントランスには古いモニターテレビが置いてあって
船内の案内や現在位置などが表示されている。
東京湾内では、どうやら10ノット程度でのんびり走るようだ。
昼飯を食べると、後はやる事が見つからない。
ヒマなので、甲板でのんびり過ごすことに。
3年前は、東京湾を航行しているのを見ているだけで
十分楽しめていたのだが、
友人のプレジャーボートに何度も乗せてもらっている
今では、もうその光景も見慣れてしまった。
あっ、ただ横須賀にいた潜水艦はめずらしかったかな。
昼下がりに湾内を出ると、あとは一面の海原。
船室に戻って、缶チューハイをぐびっと飲んで
一休みしていたら、あっという間に夜になっていた。
そうそう、この2等船室。
船の後部に位置することもあって、エンジン音が結構デカい。
前回、その絨毯の堅さや船内の騒音であまりよく
眠れなかったため、今回はあらかじめ
エアーマットと耳栓を持参。
これが意外にも役に立ったことを付け加えておこう。
次回は、10時までは明るい船室内でも眠れるように
アイマスクも忘れずに。
ちなみに、おいらは船酔いしない方だが
いくらベタ凪航海といえども、大島から八丈島にかけては
黒潮の影響もあって、ゆっくりと揺れる。
念のため、酔い止めもお守り代わりに必要な人もいるかもしれない。
次の日。
朝6時頃起きて甲板に出てみる。
海が蒼い。
あと200kmか。
時速およそ40kmでどんぶらこと、まだまだ揺れ続ける。
9時頃、ようやく島影が見えてきた。
顔を洗って歯を磨き、降りる準備をし始める。
いくつかの島を通り過ぎ小さい町並みが見える頃、
まもなく到着を知らせる船内放送が流れる。
こうして、予定より30分早く父島に到着。
曇りがちではあるものの、
時折そそぐ日差しが痛い。
桟橋には様々な宿やダイビングサービスの人たちが
プラカードを掲げて待っていた。
今日から泊まる宿のご主人は、人混みの奥の方に隠れて
やはり、プラカードを持って待っていた。
自分:いやぁ3年ぶりです。
主人:すみません、誰でしたっけ?○○さん。
しっかり覚えてるじゃないですか。
こうして、おいらのバカンスはスタートした。



